フッ素とキシリトールについてのお話

   
   

  最近皆さんの周りでは、フッ素入りとかキシリトール入りなどの表示がある歯磨き粉やガムなどの商品を良く見かけられると思います。そこで今回は、簡単にフッ素とキシリトールについてお話します。
まず初めに、むし歯ってどうして出来るんでしょう?むし歯は昔からある病気で、今も根絶できずにいる病気の一つですが、医学の進歩によってむし歯の発生には四因子が関係している事が判って来ました。

 @細菌(ミュータンス菌などによって歯垢(プラーク)が作られ、この歯垢が作る酸によって、歯が溶かされます) 
 A食べ物(糖類などをミュータンス菌などが食べて歯垢を作ります)
 B歯質(見慣れない言葉だとは思いますが、歯の強さの事です。また歯並びなども関係してきます)
 C時間(これは先ほど挙げた歯垢が、歯に付着している時間が長いほどむし歯になりやすい)

  これらの因子が関係する事でむし歯は出来てきます。そこでむし歯にならないようにするには、それらの因子を無くす事でむし歯の予防をしようというわけです。
 さてフッ素についてですが、フッ素自体はわたし達の身の回りにたくさんあります。ワカメ、海苔、魚介類、お茶などに含まれています。特にお茶にはフッ素だけでなくカテキン類などの成分も含まれており、むし歯の予防に効果的と言われています。食後のお茶には、むし歯の予防という観点からも重要な働きがあったわけですね。

  ではなぜフッ素がむし歯の予防に効果があるのでしょう?フッ素には、歯垢が作る酸を抑制して歯を溶かすのを防ぎ、また「歯の再石灰化」を促進し、歯質を強化する働きがあるのです。「歯の再石灰化」というのは、歯の成分であるカルシウムやリンなどが溶けてむし歯になるのを再び歯に戻して修復する事を言い、この作用にフッ素は大きな働きをして、むし歯になるのを防いでくれます。

  歯科医院でのフッ素塗布は、小さいお子さんをお持ちの親御さんにはお馴染みのものかもしれません。なぜ小さいお子さんにお馴染みがあるのかと言うと、生えたばかりの歯は未成熟のためむし歯になりやすいので、フッ素を塗布する事で歯質の強化を図り、むし歯になりにくい歯にするために、歯科医院では年に数回のフッ素塗布を小さいお子さんにしているからです。

  もちろんそれだけでむし歯にならない訳ではありません。歯磨きや食べ物などが大きく関係しますのでお間違えのないようにして下さい。

  歯磨き剤にフッ素を配合してある物は、この効果を期待するものですので小さいお子さんにはもちろんですが、大人の歯にも有効だと言われています。注意して頂きたい事は、歯磨き剤(フッ素入)の量と歯磨き後の洗口(うがい)です。量は歯ブラシの半分から3分の2位の長さ分が良いでしょう。歯磨き後の洗口はしすぎるとフッ素の成分が無くなり効果が期待できなくなりますので、注意をして下さい。

  次にキシリトールについてですが、キシリトールは天然の甘味料で白樺や樫などから作られ、砂糖と同じくらい甘味をもつので砂糖の代替晶として使われています。

  ではなぜ歯にやさしいとか、むし歯になりにくいとか言われているのでしょう?それは砂糖などとは違い歯垢を作りにくくし、また酸を作らないと言われているからです。特にキシリトール入りのガムは、噛むという行為を伴なう事により、むし歯の予防に効果があると言えます。これはガムを噛むことによって睡液の分泌が促され、睡液の緩衝作用(酸性になるのを中和する)や自浄作用を高め、再石灰化を期待されるからです。しかし、ガムを噛んでいたら歯磨きはいらないかと言えば、そんなことは残念ながらありません。あくまで補助的なむし歯予防ですのでご注意をして下さい。

  フッ素とキシリトールの併用は相乗効果を期待できますので、この二つを上手に使う事により、新しいむし歯が出来るのを防いでくださいね。
                                     (鎌倉・大船歯科医師会 泉啓介 雪ノ下泉歯科クリニック)