赤い歯肉と砂糖

   
   

 「甘い物が好きですか。」と健診に来られた方にお聞きすると、少し戸惑いながら、
  「実は、好きなんです。お医者さまから、血糖値が高いので、甘い物を控えるようにといわれています。」どうして私が甘い物好きとわかるのですかとけげんな顔をします。
  「歯磨きを熱心にしているにもかかわらず、歯肉全体が赤みを帯びていて、特に歯肉の縁が赤いので、もしかしてと思って。」
  「そうなんです。若い頃から甘い物が好きなので、やはり、わかってしまうのですね。」といい、がっかりした様子でした。
  「甘い物の摂りすぎは、歯肉の末梢血管に循環障害を起こし、その結果、毛細血管が拡張するので歯肉が赤みを帯びるのです。」
 落としにくいネバネバしたプラークが、歯と歯肉の境目にあるため歯肉の炎症が消えず、縁が赤く見えるのです」、というように説明をしますと、
  「やはり甘い物の食べ過ぎは、歯肉にも体にも悪いのですね。これからはやめます。」
  「本当にやめたかどうかは次の健診時に歯肉を診れば分かります。ブヨブヨした歯肉が、つやのある引き締まった歯肉に変わっています。甘い物を控えると、少しぐらい麿き残しがあっても、歯肉には影響しなくなります。」と告げると、
  「分かりました。がんばり ます。」といって帰られました。
  ところで、唾液にはサラサラした漿液性の唾液とネバネバした粘液性の唾液があります。加齢に伴い唾液腺の機能低下で唾液の分泌量が減少してきます。
  この減少は主に漿液性によるもので、粘液性の唾液はそれほど減少しません。
だから年をとると睡液はネバネバしてきてプラークが付着しやすくなります。
  また、飲んでいる薬の影響で唾液腺の血管が縮小し睡液が出にくくなり、口が渇くことがあります。
  これらはむし歯や歯周病の予防には不利なので、このような方は食事はよく咬 んで食べ、特にショ糖の多い飲食は避けるようにして下さい。
 
次に若い人についてお話しします。砂糖入りのコーヒー・紅茶、ジュース、清涼飲料水やスポーツドリンクなどを一日に何回も飲む若い人の歯肉もやはり赤味を帯びています。
  ところで、口の中は唾液 が多く流れる部位と唾液の流れが悪い部位があります。良い部位は上顎では大臼歯付近の頬
側、下顎では舌側で、むし歯ができにくいところです。
  それ以外が流れの悪い部位で、比較的むし歯になりやすいです。
  ショ糖を多く摂取していると、歯の表面に白濁(ホワイトスポット)という、歯肉近くのエナメル質に独 特の形をしたむし歯ができます。初期の段階でしたらショ糖の摂取を控え、適切なブラッシングを行えぱ、唾液申のカルシウムイオンやリン酸イオンがエナメル質に取り込まれて自然に治ります。これを再石灰化といい、最良の治療方法です。
  それでは食事以外で一日に摂取してもよい砂糖の量は、どのくらいかというと約20gといわれています。
  ちなみにスポーツドリンク(缶入り)約20g、炭酸飲料(缶入り)約40g、メロンパン(220g)約30g、大福もち(90g)約20gです。
  甘い物を制限していくと体質が変わり欲しくなくなります。生活習慣病の予防のためにも、砂糖の摂りすぎには注意して、楽しい飲食をしましよう。
                                                               ( 山田歯科医院)