バイオフィルムについて

   
   

 デンタルブラークは、ネバネバした細菌の集団で、最近、歯科ではこれを「バイオフィルム」と呼ぱれるようになりました。バイオフィルムは、複数の種類の細菌が多数集まって構成されていることが大きな特徴です。このバイオフィルムは、唾液や歯と歯肉の境目から出てくる惨出液、血液を主な栄養源としています。そして、異なった種類の細菌でありながら、お互いにうまくコミュニケーションを取り合って、歯の表面に頑固に付着し、増殖していきます。
  バイオフィルムは、細菌たち自身が粘着性のある多糖体を出し合ってスクラムを組み、自分達の周囲にバリアを作っています。そして細菌たちは、自分達が住みやすい環境を作るためにお互いに情報交換をしたり、また、自分達の住む環境が悪くなると、シグナルを出して増殖をストップさせたりして生き残りのための方法をお互いに伝えあったりします。このようなバイオフィルムは、抗生剤や消毒薬を使用しても破壊することができないのです。退治するにはなかなか手強い相手だといえます。
  バイオフィルムによってひき起こされる代表的な病気はむし歯と歯周病です。むし歯と歯周病、この二つの病気の大きな特徴は、切り傷が治るのとは違って、はっきりとした自覚症状が表われた時には、残念ながら、発症前の健康な状態には戻りにくいということです。
  歯と歯肉の境目には、歯ブラシの毛先が届きにくいところがあります。長時間そのままにすると、そこにバイオフィルムができて、歯肉に炎症をひき起こします。炎症が起きると歯肉は歯から離れてしまい、いわゆる歯周ボケットができます。次にバイオフィルムは、更に歯の根元へと入り込んで行きます。そうなると、あこの骨が減っていくという仕組こ人間の体はなっているのです。これが歯周病です。
  歯周病を起こす細菌は嫌気性菌と言って、酸素を嫌います。だから、歯周ポケットに超音波スケーラーという器具を使って酸素を入れて、バイオフィルムを破壊し、除去することが必要なのです。
  むし歯や歯周病のリスクをコントロールするために定期的に検診を受けるとが大切な意味をもってるのです。検診の内容としては、第一に、歯周ポケットの深さの測定、第二に、歯周ボケットの中にある歯石の除去、第三に、正しいブラッシングがされているかのチェックです。半年に一度の定期検診を受けるだけで、むし歯や、歯周病のリスクが大幅に減るのです。
  私達はエネルギー源として食物を摂取しないと生きては行けません。いつまでも自分の歯でおいしく食事をし、健康でいるためにも、定期的に歯科医院で健診をを受けることをライフスタイルの中に加えることが、お口の中のお手入れの秘訣といえます。                                   (R歯科医院 羅 添揚)