歯はどうしてこんなに痛くなるの?

   
   

  あらゆる痛みの中でも、歯痛は痛みの横綱に属します。なせそんなに痛いのか、今回はその痛みの原因と応急処置について考えてみたいと思います。まず、歯の激痛には、大きく分けて三つの原因があります。
  〇一つ目は、歯の神経に由来するもの。
  〇二つ目は、歯根の先が腫れたもの。
  〇三つ目は三叉神経に由来するものです。
  第一の原因である歯の神経に由来する痛みの場台、むし歯などにより神経そのものに刺激を与えるので痛みを感じるのですが、特に歯の神経の場台、周りを硬い組織に囲まれていることが激痛の原因となります。何らかの状況により、神経に刺激が与えられた時、歯髄(神経と血管で構成されている)が炎症を起こします。炎症は、皮膚でも赤く腫れ上がって分かるように、血管が膨張するのです。歯髄でも炎症が起こると血管が腫れ上がるのですが、周りを象牙質の硬い組織で囲まれているため、腫れ上がった分だけ余計神経を圧迫する結果となります。これが激痛の原因となるのです。よく似たものに歯髄充血があります。これは歯髄の血管が少し充血しほんの少し神経を圧迫するため、神経が敏感になり熱いもの・冷たいものに鋭敏に反応する状態をいいます。いずれにせよ血管の膨張に由来するのです。
  二つ目の原因は、歯根の先が腫れた場合です。これも歯根の周りが歯と骨の硬い組織に囲まれているため、激痛となるのですが、歯根の先が腫れるときは歯髄はもうすでに死んでいます。そのため根の先に細菌が入り込み膿を形成し、この膿が周りの骨を圧迫・破壊する事により、夜も眠れない程の激痛となるのです。膿は骨の中を進むため激痛が続くのですが、骨の外に出たとたん痛みは軽減します。しかし出た所に膿の袋を作り大きく腫れ上がります。膿の袋が破れますと痛みはほとんどなくなりますが、膿の出た場所によっては、危険な状態となります。
  最後の原因は、三叉神経痛です。上の顎を司っている神経を三叉神経第二枝、下の顎を司っている神経を三叉神経第三枝といいます。何らかの状況によりこの神経が痙撃を起こすと激痛になります。原因は不明のものから、むし歯に起因するものまで様々ですが、関運痛もよく見受けられます。三叉神経第一枝は、目の辺りを司っているので、むし歯が原因で目まで痛くなることもあります。いずれにせよ、この場合は原因除去または投薬および神経ブロック (神経を麻癖させる)をしなけれぱ痛みは止まりません。
  最初に述べた歯髄が痛んでいる時の治療法は、歯髄を取ることですが、応急処置として、今治水や正露丸をつめることによって一時的に痛みを軽減することもできます。(ただし、歯肉に触れないように)しかし、歯根の先が腫れているときに、この方法はまったく無意味で、抗生物質や腫れ止めなどの投薬の方が効き目があります。しかし、膿の袋が破れ痛みが無くなったからといって放置しますと、その場所はいつまでも膿を排出することになり、体力が落ちた時などに大変なことになります。早期に根本治療することが大切だと思います。
                                                     田中 直人 (ミキプラザ歯科医院)