口腔ケアを考える(その2 実践編)

   
   

 口腔ケアは、まずうがいから

  以前にこの紙面で口腔ケアの必要性をお話したことがありますが、では具体的にはどのように口腔ケアを行なえばよいのでしょうか?
  基本は「うがい」と「歯ブラシ」そして「入れ歯の手入れ」です。具体的なケアの手順としては、次のようになります。
   @入れ歯があれば入れ歯をはずします。
   Aうがいをします。
   B口腔内清掃をします。
   Cさらにもう一度、うがいをします。
   D入れ歯の清掃&最後に入れ歯の装着となります。
  それではこの中でA、B、Dについて少し説明します。Aのうがいはのどの奥を洗うような「ガラガラうがい」ではなく、左右のほっぺたを交互に膨らませるような「ブクブクうがい」がお勧めです。目的は大まかな食べ物の残りカスを洗い流すことですから、うまくできるようになるまでは思いっきり音を立てて練習してください。適量の水または温湯を口に含んで唇をしっかり閉じた状態で、ひとくち最低20回ブクブクと行なってください。次に水を吐き出し、新しい水を含み同様に4回行なってください。3回ではなく4回行なってください。ほぼ4回で普通のコツプー杯分になるはずです。

「歯ブラシ」は口腔ケアのメイン

  次にBの歯ブラシですが、これこそが口腔ケアのメインデッシュです。自分でできる方は時間をかけて丁寧に行なってください。手の運動に制限のある方用に、ブラシの柄のところが持ちやすいように工夫されているのもあリますから、利用してください。歯ブラシを細かく動かすことが難しいなら電動歯ブラシを活用してもよいでしよう。
  介助が必要な場合に、介助する方にお願いしたいことがあります。一つは口の中をよく見てあげてください。そしてきれいな状態が保たれているときは、ほめてあげてください。手の不自由な方が歯ブラシをうまく使いこなすのは、かなりの努力が必要なことを理解してあげてください。もう一つは、介助者が普段していないことを患者さんにやらせようとしないでください。
  喫煙習慣のある医師からタバコの害を説明されても、あまり真実味が感じられないように、歯間ブラシやデンタルフロスを使う習慣のない人からこれらの使用をすすめられても、積極的にやろうとは思われないばかりでなく、「体の不自由のないあなたがやろうとしないのに、不自由な自分にやらせるなんて」と、信頼関係に悪影響を与える可能性があります。介助する場合は、あせらず少しずつお互いに慣れることが必要です。

入れ歯は、こまめに清掃を

  次にDの入れ歯の清掃ですが、入れ歯を利用している方は面倒くさがらずに頻繁にはずして洗ってください。少なくとも食後は取り外して清掃してください。入れ歯に着いているヌルヌルした汚れの中には肺炎を引き起こすような細菌も生息しています。できるだけ早めにブラシでこすり落としてください。複雑な形をして磨きにくいところほど細菌が繁殖しています。特に部分入れ歯を使っている方は金具の付いている所に注意して丁寧に清掃してください。
  必要と思われたら、入れ歯洗浄剤を使用して洗浄するのも良いでしよう。
                                        (鎌倉市歯科医師会 遠藤勝弘 遠藤歯科医院)