プラークコントロール  特に大人の虫歯について

   
   

 “虫歯、歯周病の原因となるプラーク(歯こう)”これは、歯に付着した白色または黄白色の沈着物で細菌とその産生物(酸、毒素など)からなります。このプラークを、歯と歯肉に悪影響を及ぼさない程度にまでできるだけ少なくすることをプラークコントロールといいます。プラークは薬品では除去できないため、歯ブラシなどによって機械的に除去する必要があります。
プラークコントロールといえば、子どもでは虫歯予防のため、大人(特に中年期以降)では歯周病予防のためなどのイメージがあるように思います。ところが大人の方でも、以下に述べるような場合では、子どもとは違う部位に虫歯ができることがあるので、注意が必要です。

@歯肉が下がって、隙間ができた場合
  歯と歯の間に隙間ができると、食物片の付着する部分が多くなるため、子どものプラークコントロールよりも手間と時間がかかります。具体的な方法としては、歯ブラシで歯の表側、裏側、かみ合わせ部分をきれいにブラッシングした上で、歯と歯の間の隙間は、歯間ブラシを使用することが必要です。歯間ブラシは、隙間の大きさに合わせて、適切なサイズのものを選択することが大切です。
また、歯肉に覆われていた歯の根元部分が出てくると、エナメル質が無く、弱いので虫歯になりやすいし、歯周病も進行しやすいです。ブラッシングの際に、一生懸命に磨こうとして力を入れすぎると、歯肉を傷つけたり、歯の根元部分が削れたり、知覚過敏を起こすこともありますので、やさしく、丁寧なブラッシングを行いましょう。
  適切なプラークコントロールをした上で、フッ化物の利用が有効です。フッ素配合歯磨剤の使用、歯科医院での定期的なフッ素物塗布などが良いでしよう。

Aブリッジ、部分入れ歯を装着している場合
  ブリッジ(固定式の架橋型義歯)を装着している場合は、歯間ブラシもしくは専用のデンタルフロスを使用して、ブリッジ土台部分の歯の周囲をきれいに清掃することが必須です。これを怠ると被せた物と歯の境目から虫歯になることが多いです。
  部分入れ歯を装着している方は、食後に入れ歯をはずして、お□の中をプラークコントロールした上で、入れ歯もきれいに洗浄しましょう。お口の中では、入れ歯のバネがかかる歯を特に注意してブラッシングしてください。部分入れ歯の構造上、このバネのかかる歯の周囲が食物片、プラークがたまりやすいのです(虫歯、歯周病ともになりやすい)。適切なプラークコントロールによって、お口の中、特に歯のある箇所をきれいに保つことができれば、部分入れ歯も良い状態で使用することができます。

B嗜好品、常用薬剤のある場合
  飴、清涼飲料水、スポーツドリンク、その他糖分を含む嗜好品を常用していると、多数の歯に虫歯が発生することがあります。対策としては、ノンシュガーのものに変更する、口腔乾燥のある場合は、湿潤剤(ヒアルロン酸)配合の洗口液を使用する、口呼吸をしないようにするなど(鼻がつまっている場合は、鼻を治療する)。
  また、持病のある方では、服用している薬の影響により、唾液の分泌量が低下することがあります。唾液による自浄作用(歯に付着した食物片を洗い流す)も低下するため、虫歯の発生、歯周病の進行につながりやすくなります。特に@の歯肉退縮した状態で、唾液分泌の低下が起こると、露出した歯の根元部分に虫歯ができやすいです。
  以上、多岐にわたり申し上げてきましたが、ご自分のお口の中の状態を良く理解した上で、きちんとプラークコントロールを行うことが大切です。
                                             (鎌倉市歯科医師会 木村典由 木典歯科)